研究概要 |
1.課題 ヴォルガ・ドイツ人のドイツ移住については第二次世界大戦後を中心に、アメリカ大陸移住についてはアルゼンチン移住を対象とし、それぞれの現地で資料を収集し、移住の量的推移、理由、移住先とそこでの社会経済生活等を解明することを課題とした。 2.作業 平成22年8月2日から同月16日までドイツ(シュトゥットガルトの外国関係研究所図書館とロシア・ドイツ人協会、ゲッチンゲンの北東研究所等)に、平成23年3月14日より同月24日までアルゼンチン(ヴォルガ・ドイツ人協会とコロニー等)に出張(帰途、ニューヨーク公共図書館に出張)し、関連資料の収集を行い、そして、収集した資料の分析を行った。 3.成果 (1)ヴォルガ・ドイツ人を含むロシア・ドイツ人の第二次世界大戦後のドイツ移住の時期、理由、人数、仲介団体、受入等について新しい情報を得た。とりわけ、ロシア・ドイツ人協会の機関誌(Volk auf dem Weg)収載記事その他の研究文献から、ペレストロイカ・ソ連崩壊後のドイツ移住急増の実態を解明し、同時に、移住後の彼らの社会的統合をめぐる諸問題を明確化した。(2)アルゼンチンへの移住について、理由、量的推移、移住先、社会経済生活等について、さまざまな新しい知識を得た。とりわけ5つのヴォルガ・ドイツ人コロニー(Hinojo, Nieves, San Miguel, San Jose, Santa Maria)の住民がどのように祖先の言語・生活文化を維持してきたかについて、貴重な情報を得た。(3)日本学術振興会の外国人招聘(短期)事業によりA・アイスフェルド氏(北東研究所)を平成22年11月2日から同月16日まで日本に招き、「ロシア・ドイツ人のドイツ移住」をテーマとして早稲田大学で講演会を実施、個人的にも議論し、新たな知見を得た。 4.今後の課題 上記の個々の成果をまとめ、論文を作成する。
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