3つの方向から研究を継続して発展させた。すなわち、1.サービス・イノベーション・アーキテクチャの概念と事例研究、2.サービスシステムの理論的分析、3.サービスサポートプロセスの特性計算方法の開発である。 1については1950年代に開始されたコンテナの開発事例の分析を進め、また、これまで継続している研究である日本の中小製造業の仮想工場として受注を行っているNCネットワークの調査と分析を進め、論文取りまとめ作業を開始した。2についてはイノベーションを進めていくために有効と思われる概念として、サービスのモードという概念を提唱し、学会で発表を行った。また、情報システムの応用としてサプライチェーンの実行計画と生産計画の統合を行う方法を開発し国際会議で発表した。3については、ビジネスゲームとして行われているパン製造販売ゲーミングについて、販売と生産の速度であるスループットを一定にする経営方式の特徴付けを行った。ゲーミングのデータを用いて新たな経営方策の有効性を分析する手法の提唱と同時に、スループットを重視する経営方式が伝統的な在庫管理方式と比べて優れていることを数学的に証明しようとしているところである。この性質は進化的安定戦略であることを示すことになる。これらは特性計算の基礎となる定理の応用のひとつである。これらの成果を踏まえて、1と3については23年度中に論文作成を完了するめどが立ったところである
|