研究課題/領域番号 |
21530351
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 伸夫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30171507)
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キーワード | ライセンス戦略 / T型フォード / ENIAC / 特許 / 殻 / Max Weber / センスメーキング / 鉄の檻 |
研究概要 |
2011年3月に東日本大震災があったために、2011年度は、年度当初、大学の研究室や図書館が使えなかったり、出張や移動等が難しくなったりした。そのため、研究のスタイルを軌道修正し、これまでに収集してきたライセンス・ネットワークに関する資料や文献を渉猟し、研究成果を整理してまとめることにかなりの時間を投入することとした。その成果については、目に見えるように『赤門マネジメント・レビュー』に毎月連載するというノルマを自らに課したが、その結果、T型フォードやENIACといった歴史的な事象とその社会的背景に関しても、ライセンス・ネットワークに関する萌芽が既に存在していたことが分かり、それをさらにM.Weberの「殻」の概念を使って、うまく説明できる可能性があることも分かってきた。また社会心理学的なアプローチを使えば、同様のメカニズムが、センスメーキングのプロセスとして、さらに説得的に説明できることも分かってきたので、産業・組織心理学会の全国大会における招待講演で、そのアイデアの基礎データを発表した、こうしたアイデアとフレームワークに基づいて、『赤門マネジメント・レビュー』連載論文(1)~(7)を再整理して、1冊の学術書としてまとめる作業を、現在、進めている。また。従来の研究スタイルで行ってきた研究についても、昨年度の国際シンポジウムや日仏会館でのセミナーで英語で発表した日本企業のライセンス戦略に関する研究が、その後のスクリーニングを経て、2本の共著の英文論文として出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災によって進捗に影響を受けたものの、その分、研究成果をまとめる時間を多く取ったことで、結果的に、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
色々な研究成果が出始めているので、今後は研究成果の発信に力を入れていきたい。それには二つの計画があり、一つは、既に述べたように、連載した論文を1冊の学術書にまとめるという計画が進行中である。もう一つは、研究成果を英文論文にして対外発信することで、それについては、現在、準備中である。
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