研究課題/領域番号 |
21530354
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
古川 勝 富山大学, 経済学部, 教授 (50279402)
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キーワード | 健康・医療 / 家庭配置薬 / 伝統医薬・伝統医学 / 知識・情報管理 / コミュニケーション / 情報通信 / 地域社会 |
研究概要 |
当該研究の究極のゴールは、アルマアタ宣言が標榜するように、「すべての人が健康な日常生活を送ることができる仕組みの構築」である。しかしながら、途上国においても、高齢化が加速する我が国のような先進国においても、健康・福祉・医療に関わる分野は、きわめて深刻な問題を抱えている。本研究は、江戸時代から継承している富山売薬のビジネスモデルがモンゴル国に導入され成功を収めた事例に着目し、次の2つを明らかにすることで、問題解決に貢献することを目的としている。具体的な2つの目的と23年度における研究成果は、次の通りである。 目的1:配置薬ビジネスモデルが他の途上国でも成功するための要件の抽出と整理 ・WHOおよび富山大学和漢医薬学統合研究所が中心となり、ASEAN地域における伝統医薬国際会議および富山での国際シンポジウムを定例的に開催することとなった。これらの会議を情報源として、各国および我が国の医療における配置薬ビジネスモデルの位置づけ、成功要因を抽出し整理した内容を国際ジャーナルに発表した。・モンゴル国およびタイ国において、配置薬およびそのビジネスモデルの有効性に関する調査が実施されている。各国におけるデータ収集様式に準拠した、我が国における医薬品の利用実態と満足度に関するアンケート調査を統合し、これに多変量解析を加え、現状を分析し発表した。 目的2:このビジネスモデルをさらに効率よく機能させるためのICT活用の仕組みや方法の立案 ・各家庭に配布した配置薬と医療ハンドブックおよび医療スタッフとの関わりに焦点を当て、救急救命時における知識と情報の関わりを情報伝達メカニズムとしての情報システム機能を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は想定していなかったことに,コンティニュア・ヘルス・アライアンスがある。医療情報システムの通信規格の世界標準だが,当初は利用実績も少なく,文献が入手できなかったため,実態調査に手間取った。
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今後の研究の推進方策 |
コンティニュア・ヘルス・アライアンスの利用状況を情報収集した上で,本研究の当初の目的であるシステムイメージをまとめ上げる予定である。
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