研究課題/領域番号 |
21530372
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
井戸田 博樹 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (10352957)
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研究分担者 |
文能 照之 近畿大学, 経営学部, 教授 (30388491)
辻 正次 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (90029918)
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キーワード | イノベーション / オープンイノベーション / 経営革新 / ICT / ICTケイパビリティ |
研究概要 |
本年度は、昨年度に実施したイノベーティブな中堅企業(製造業、建築業、情報通信産業)向けアンケートのデータを用いて、「ローカルイノベーションシステム構築」のキーコンセプトであるオープンイノベーションやソーシャルキャピタルについて、次のような実証分析を行った。 1. オープンイノベーションの成功要因としてのICT活用。 2. 製品イノベーションにおけるソーシャルキャピタルの重要性。 これらについて国内外の学会で発表し、論文として公刊した。主な研究成果を以下に記す。 (1) オープンイノベーションを興す企業では、技術ノウハウの優れた系列企業や地域内外の販売先、地域内の同業者と、対面接触に加えて電子メールにより頻繁に顧客ニーズやライバル企業の新製品情報などを交換し合い、共同でイノベーションに取り組んでいる。そしてそれらの情報や知識をイノベーションに活かすためにCAD/CAMやSCMを利用していることが確認できた。 (2) 経営者が地域の産業集積にメリットを感じている場合、製品イノベーションが起こりやすい。イノベーティブな企業が地域の産業集積にメリットを認知する要因に、地域内の企業間でのソーシャルキャピタルの形成がある。さらに、オープンイノベーションに取り組んでいる企業は、地域内のパートナーと取り組む一方で、地域外の販売先ともソーシャルキャピタルを形成しつつ、連携してイノベーションに取り組んでいることが確認できた。 以上の実証分析から、イノベーション活動にICT活用とソーシャルキャピタルの醸成が肝要であることが確認できた。今後はこれらの分析結果によって得られた知見をさらに熟慮し、イノベーション活動と地域やICT活用との関係性についてソーシャルキャピタルの観点から明らかにする計画である。
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