タイ王国、フィリピン、ベトナムおよび中国にて質問票を用いて定量調査を引き続き行った。まず日本語による質問票を作成し、それを英語、ベトナム語、タイ語および中国語に翻訳し、各国で現地調査協力員を通して在外日系企業の日本人従業員および現地従業員にその質問票に回答してもらう形式をとった。 質問票は当初の質問票をパイロット調査の後、次のように項目修正して最終質問票として配った。 1、会社(仕事・職場環境)に対する満足度 2、労務管理手法に関する従業員と日系企業の意識の違い 3、職場摩擦が発生した場合、相手が日本人の場合と現地人に対する場合の対処の違い 4、従業員の期待するリーダーシップと日本人管理職の現リーダーシップの違い 最終的にタイ王国・日系企業127社よりタイ人266人・日本人233人、ベトナム共和国・日系企業10社よりベトナム人423人、中華人民共和国日系企業・16社より中国人339人・日本人100人、フィリピン共和国日系企業・39社よりフィリピン人243人・日本人102人の計1706人の従業員サンプルを得ることができた。 このデータをSPSS統計ソフトにインプットし、共分散分析、因子分析及び回帰分析手法で解析し2011年3月にバンコク日本人商工会議所で発表した。途中経過であったが、論文としては立教ビジネスレビュー(立教大学経営学部)に掲載し(2010年7月)、教科書としては、調査結果に基づく職場摩擦に関する章を英文テキストに含むことができた(2010年6月)。学会発表としてはSINAG=TALA記念出版会(2010年8月)、東芝国際交流財団助成金日本語教育セミナー(2010年9月)で、また研究発表は大韓民国慶北大学(2011年1月)とタイ王国タマサート大学(2011年3月)で行った。
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