標準化とイノベーションの総合関係を調べるため、ISO事務局と協力しつつ、幾つかの代表的標準化事例を取り上げ、当該開発企業に対するインタビューを行い、標準化がイノベーションにどのような影響を与えたかを把握した。さらに、液晶パネルを対象として、試験方法標準がイノベーションに与える影響を、企業インタビューや文献などから整理し、論文にまとめた。 標準化と特許の関係については、JISCの特許データを用い、標準課題における特許の動向を調査するとともに、11月に中国が発表した国家標準における特許ポリシーのイノベーションに与える影響を、中国当局関係者へのインタビューなどを行い整理した。さらに、特定企業における標準化関連特許収入データを有価証券報告書などから整理し、標準と特許における関係を調べた。この関係では、EUが実施している標準と特許の相互関係研究にも協力した。また、東京農工大がオランダエラスムス大学と共同で行っている標準化と特許に関する共同研究にも参加し、標準中の必須特許調査の手法等を検討した。 さらに、平成22年度のアンケート調査に向け、アンケート対象団体の整理を日本規格協会と共同で実施し、日本における標準化団体及びISO・IECの国内審議団体をピックアップした。現在、これらの団体に対するアンケート送付のための個人名の選出を実施している。なお、アンケート項目についても検討を行い、イノベーション研究センターが有するウエブアンケートシステムへの掲載準備をすすめた。
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