日本国内において日本企業の本社のグローバル研究開発戦略との関係から見た中国、タイなどアジアの国における研究開発戦略及び活動に関するインタビュー調査を実施した。中国については、将来の中国現地での幹部となるような優秀な中国からの留学生をリクルートし、日本の社内で育成していくことが重要であることが分かってきた。 中国においては、上海地域における日本企業の産学連携や産官連携を含む研究開発活動について、日中経済協会上海事務所、上海市政府、日系企業の研究開発センター、同済大学、上海交通大学などでインタビュー調査を実施した。日系企業の研究開発センターが立地している地域は緑も多くよく整備された地域であり、大学や公的研究機関も企業との連携には積極的で施設や設備も立派であることが分かった。一部の大学では、教員に一定額以上の外部資金獲得を義務化し、それが達成できない場合は格下げの対象となるという方針なので、企業からの資金獲得についても熱心である。 また、3年間のインタビュー成果をp踏まえ、日系企業の中国における研究拠点の類型化を試みた。 以上の成果に加え、別途、(社)研究産業・産業技術振興協会が実施したアンケート調査に参画した成果も踏まえ、中国における日系企業の産学官連携を含む研究開発活動について、産学連携学会及び研究・技術計画学会の年次学術大会、CAMOT (China Association for Management of Technology)の国際学会で発表を行った。CAMOTにおいてはBest Paper Awardを受賞した。このほか、広島大学国際産学官連携研修会、(社)研究産業・産業技術振興協会において招待講演を行った。論文としては、日本の産学官連携との比較の観点から見た中国の産学官連携について、研究・技術計画学会誌の招待論文を執筆した。
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