本研究はロシア企業の組織・意思決定・行動を分析することを通して、経済主体である企業の市場に対する適合度を明らかにし、ロシアで形成された経済システムをコーポレート・ガバナンスの制度的特徴から実証的に解明することを目的に実施されている。 平成22年度は本研究課題の2年目にあたる訳だが、平成21年度の実地調査、文献調査を踏まえ、以下の研究課題を遂行し、図書出版という形で研究成果を公表した。 平成22年11月にモスクワにおいて、複数の研究機関、シンクタンク、企業を訪問し、グローバル危機後の経済回復状況と大企業への影響、エネルギー部門の経済復興への寄与度、近代化と経済の多様性、労働市場への影響、人的資本の形成と企業マネジメントに関するヒアリング調査を実施した。平成22年8月28日はエストニアのタルトで開催されたEuropean Association for Comparative Economic Stidies第11回大会のSession IV on "Social Changes and Institutions : Throughthe lens of CSR and market"において研究成果を踏まえて報告討論を行った。 具体的な研究成果としては、『市場経済の多様化と経営学』(ミネルヴァ書房、2010年)を編纂し、公刊することができた。
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