研究課題/領域番号 |
21530388
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
古川 澄明 山口大学, 経済学部, 教授 (10148992)
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キーワード | 自動車 / 産業クラスター / サプライチェーン / Volkswagen / Toyota / 工場ネットワーク / 中国地域 / アジア |
研究概要 |
平成23年度は、前年度までの調査研究に引き続いて、下記の三項目に分けて、調査研究を実施した。 (1)自動車メーカーのクロスボーダー工場ネットワーク戦略に関する研究: 自動車メーカー・グループの生産体制は、クロスボーダー工場ネットワークの形態をとる分業と協業によって成り立っており、同工場ネットワークに部品(モジュール部品、システム部品)を供給するサプライヤーシステムがSAPを活用して形成さている実態を、ドイツの事例では、Volkswagenグループを、日本の事例では、トヨタ自動車グループを対象に、調査研究した。 (2)ドイツ自動車産業クラスターに関する研究 ドイツ東部ザクセン州を対象にして、自動車産業クラスターを調査研究した。平成23年度ドイツ調査では、ザクセン州経済振興公社やドレスデン商科大学やBMW-Leipzig工場などを調査したほか、日系自動車部品企業、金融機関、関係企業、学術機関・学術関係者、シンクタンク、新聞社等のメディア機関を調査し、クラスターの原動力を生み出す要因についての研究に取り組んだ。 (3)西日本自動車産業クラスターに関する研究 中国地域の自動車メーカー、部品サプライヤーの戦略を調査し、さらに、それらが進出する、あるいは進出を計画する、または競争相手とする中国と韓国の自動車産業クラスターについて、経済産業省中国経済産業局、広島産業新興機構、広島銀行経済研究所と連携して、現地調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実態調査は、おおむね予定通りに実施し、当初に期待していた成果を得ている。理論的にも、実態調査を通じて、仮説を検証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究成果をまとめる作業に入る。実態調査の成果を踏まえて、仮説を理論的に再検討し、「産業クラスターを取り込んだ工場ネットワーク戦略」の実相に関する成果を公表する予定である。因みに、実相は、産業クラスターのタイプや特質によって異なることが判明した。成果公表に向けて、今後、先行研究を再検討したうえで、本プロジェクトの成果を提示したいと考える。
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