【視座】企業戦略に従って世界に拡がる製造拠点の事業戦略が展開され、製造拠点間連携とグローバル・サプライチェーンは、企業・グループの総合競争力を争う段階に入っている。グローバルな多角的製品・市場戦略では、最適経営のための投資判断で、戦略上の差異性と共通性が追及される。一方で各国市場向けの製品戦略が採られ、他方で多角化戦略に応じた「共通化」が競争力強化の手段とされる。プラットフォームやモジュール部品の共通化による最適経営合理性の徹底追求である。 【課題検討実績】①完成車メーカーの工場ネットワーク戦略と国内外生産拠点との相関関係、②完成車メーカー国内外生産拠点サプライチェーン戦略とローカル産業集積地、③当該産業集積地T1、T2クラス部品メーカーの工場ネットワーク戦略と国内外生産拠点との相関関係、④当該産業集積地の川上中小部品メーカーの川下サプライチェーンへの関係変化(参加、脱落)、⑤地域産業振興政策としての産業クラスター戦略。 【実態把握・理論的整理】①グローバルに連携された工場ネットワーク戦略でのプラットフォームやモジュールの共通化の実態解明、②自動車メーカーの本国「マザー工場」を事例にサプライチェーン・ネットワークが産業クラスターを「外部資源」として徹底活用する実態、とくにハブ工場側のコスト削減要求がサプライチェーン・ネットワークを支配する限りで部品サプライヤー側の協力や提案が生かされる実態の解明、③マザー工場が高度の技術品質・人材・資本・情報の調達を求める部品メーカーの高度産業集積地ので、部品メーカーと同ネットワークとの関係変化実態の解明、④産業クラスターの能動的機能がハブ工場と部品メーカーにもたらす相互利益の解明、⑤地域産業政策の一つの形態としての産業クラスター政策の役割の検討、⑥産業クラスター間の国際競争の検討など、と取り組んだ。順次に成果公表を予定している。
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