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2009 年度 実績報告書

日本企業のイノベーション能力と人事異動

研究課題

研究課題/領域番号 21530389
研究機関山口大学

研究代表者

内田 恭彦  山口大学, 経済学部, 教授 (40379508)

キーワード人事異動 / 終身雇用 / 知的熟練 / 比較による推論学習 / 技術的企業特殊技量 / 組織的企業特殊技量 / 次世代経営幹部候補 / イノベーション
研究概要

平成21年度は日本企業のイノベーション能力と人事異動の関係を分析するための研究フレームワークを構築すること、および事前インタビュー調査を実施することを主な目的としていた。前者は終身雇用制度下における異動システムを分析するためのものである。このためのレビュー研究から、異動には大きく4つの考えがあることが明らかになった。第1は企業家と被雇用者の双方の満足関数を満たすものであるとするもので、第2は異動による機会費用と代替コストの差に注目するものである。第3は異動により発生する知的熟練の学習コストと価値の差に注目するものであり、第4は異動により異動者が異動前後の職務を比較する中からなされる推論学習に注目するものである。終身雇用における雇用の積極的な意味は、Becker(1975)の人的資本論から学習投資の長期にわたる回収可能性である。ここから終身雇用制度下における異動システムは短期効率性でなく学習を重視するものであり、学習メカニズムとして知的熟練の場合学習内容は技術的企業特殊技量であり、対象はスペシャリストとなる。また学習メカニズムが補完性の低い職務間の比較による推論学習であると学習内容は組織的企業特殊技量習得となり、対象はゼネラリストとなる、というモデルを示した。
また総合電機メーカーの次世代経営幹部候補者のインタビューデータを用いた分析を行い、異動者の異動と学習についての詳細な実証研究を行った。その結果補完性のある職務への異動による知的熟練学習および補完性の弱い職務間の異動による総合的判断力の学習が確認された。総合的判断力は比較による推論で学習されていることが示された。
後者の事前インタビュー調査においては日本企業として日立製作所、野村證券、花王、外資系企業としてGE、日興コーディアル証券、P&G、TI、プルデンシャルの人事施策とその考え方についてのデータが収集できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 次世代経営幹部候補者のキャリアと的技量2009

    • 著者名/発表者名
      内田恭彦
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌 592

      ページ: 60-72

  • [図書] 経営行動科学ハンドブック2010

    • 著者名/発表者名
      経営行動科学学会
    • 総ページ数
      700
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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