国内の研究は3種類の研究を継続した。1つめは、日本ソフトウェア系のスタートアップを対象とする継続研究で、国内で1200社に質問票を送付し98社から回収済みであったので、本年度はソフトウェア産業の成長率との起業数の相関分析、windows95の登場等明確なイノベーションと起業家の起業機会として認識との関係などの詳細分析を行い、論文にまとめ日本ベンチャー学会に2月に投稿した。2つめはアルプス電気の盛岡工場からのスピンオフ企業を調査するもので対象40社のうち23社に対して訪問調査を実施し、研究成果は12月にBabson College Entrepreneurship Conference(BCERC)2011に発表の申し込みを行い受託され(論文としてFrontiers of Entrepreneurship Research2011に掲載される)、成果については海外学会から一定の評価を得ることができた。3つめは国外研究に関してであるが、レンセラー工科大学/米国、UCバークレー/米国、天津大学/中国、チャルマース工科大学/スウェーデンの研究者と連携をとり、まず前3者とは出発点としての大学生のアントレプレナーシップのレベルの差異に関するアンケート調査を企画・実施(これに加えて、九州大学と非常勤を務める西南学院大学で実施済)し、この程度の差を確認した後、起業機会発見のプロセス、影響を与える要因等を比較するデータを収集できた。
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