研究課題/領域番号 |
21530396
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
西野 勝明 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (50514600)
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研究分担者 |
田中 啓 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (80387521)
藤本 健太郎 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (50381017)
山浦 一保 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80405141)
藤澤 由和 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (70387330)
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キーワード | 経営管理 / 行政経営 / 経営マインド / 公務員 / 行政改革 |
研究概要 |
本研究は、制度の導入が進む新公共経営(NPM)への取組が、行政の現場では期待された効果を上げ得ず、むしろ「機能不全」とでも呼ぶべき現象が生じている。その要因として、行政を担う公務員に「経営マインド=経営的思考と行動様式」が形成されていないため、NPMのツールを活用できていないということを実証的に把握することにある。二年度目である平成22年度は、第一に、我が国の先進自治体についてNPM手法がどのように導入され、機能しているかを訪問調査し、その実態を把握する。そして、アンケート調査実施の承諾を得る。第二に、海外の先進事例について、NPMがどのようなシステムとして導入され、行政の現場でどのように活用されて機能しているかを評価する。第三に、自治体を対象としたアンケート調査票を完成させ、静岡県を対象とした調査を行う、を計画した。 先進自治体の実態調査としては、第一については、兵庫県小野市を訪問調査した。小野市は「方針管理制度」を導入しているが、能力成果主義の人事管理制度ともリンクさせて、自治体としては徹底したNPM手法を導入して成果を上げていた。また、同市でのアンケート調査の承諾を取り付けた。第二については、香港特別行政区政府(以下、香港政府)の実地調査を行った。香港政府は長く英国統治下にあったため、NPMの理念に基づく英国式の制度が多く導入され、同政府のパーフォーマンスは高く評価されている。Civil Service Bureauを訪問し、人事評価制度、その運用成果、人材育成制度、2006年からの行政改革の動きとその評価について調査した。行政改革については、必ずしも行政の能力アップにつながらない恐れあることが判明した。第三については、静岡県職員に対するアンケート調査について、調査票を完成させ、予算編成、人事作業が終わり、調査に最も適した3月14日から18日の週に実施することとしていた。しかし、3月11日に発生した東日本大震災により、危機管理部を中心に業務量が急増し、また、被災地への職員派遣も行われるなど、調査を実施できる状況ではなくなり、県の行政改革課と協議の末、調査実施を平成23年度に延期することを決めた。 平成23年度は、静岡県と2市についてアンケート調査を行い、研究成果をまとめる予定である。
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