本研究の目的は、アフリカにおける農産物の流通と加工における急速な変化に注目し、東アフリカ地域の小売業(スーパーマーケット)と食品加工業に進出している南アフリカ企業等の経営戦略とローカル企業への影響に焦点をあてて分析することである。現地の状況により多少の計画変更を余儀なくされた部分はあるが順調に推移している。 昨年度、当初の計画では調査対象地としてタンザニア連合共和国とウガンダ共和国を選定していた。調査内容を精査する中でウガンダのビール産業、ジュース産業、小売業(スーパーマーケット)に関する研究に集中した方が効率的だと判断し、2010年8月17日~9月4日にかけてはウガンダで本調査を実施し、ケニア共和国でその関連機関をフォローアップで訪問した。その結果、ウガンダでは160以上の大麦、ソルガム、パイナップル農家から質問票を回収するとともに政府機関、関係企業に対するインタビューを実施できた。ウガンダのビール産業については英語、ウガンダのスーパーマーケットとジュース産業については日本語でそれぞれ論文としてまとめ投稿した。さらに、研究成果の一部を2011年5月の日本アフリカ学会学術大会、6月の国際開発学会春季大会で報告することが決定した。 次に、本年2月20日~27日には本年度の予備調査的な意味合いから南アフリカ共和国のケープタウン、ダーバン、ヨハネスブルグ、プレトリアの4地域を訪れ、タンザニアに進出している企業の本社や関連機関でインタビューした。本年度はタンザニアをメインの調査地とし、ウガンダは本調査のフォローアップで訪問することにしている。
|