研究概要 |
本研究は,ICTのコンセンサス標準化にみられる機能とメカニズムをイノベーションとして捉えて,事例調査から実証しようとしている。こうした内容に沿って,今年度は、先行研究の調査と仮説設定に基づき,企業や団体のヒアリング調査を行いイノベーションの形成について一定の結果を得た。 1.仮説の設定 オープンイベーション研究をサーベイし,イノベーションの形成には,イノベーション創造とイノベーション獲得の二つがあることを想定した、前者はイノベーションを創造するためのプロセスであり,後者はイノベーションによって経済価値すなわち収益を得るプロセスである。両者がうまくリンクして初めてイノベーションが達成されるという仮説を設定した。 2.ヒアリンク調査と結果 1で述べた仮説について,実証を行うために,標準と知財を関連付けするビジネスを進めることに積極的な三菱電機などを対象とすることを決定し,ヒアリンク調査を行った。その結果イノベーション創造プロセスはコンセンサス標準化によって達成されイノベーション獲得プロセスは外部機関を利用して達成されていることが明らかとなった。すなわち当初は企業内製型のクローズドイノベーションを創造し,続いて多様な外部イノベーションを様々な経路で獲得することによって,全体的オープンイノベーションが形成されることが明らかとなった。 3.成果の公表としての論文投稿と研究報告 梶浦雅己が論文単著で2本学会等報告として2回,内田康郎が単著論文3本,学会報告1回を発表した。
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