本研究は、激しいビジネス環境にさらされている産業において、迅速且つ適切に事業撤退する戦略の枠組みを構築することを目的とするものある。得られた結果をまとめると以下のようになる。ほとんどの産業において、撤退事例は、事業継続による赤字拡大を防ぐ目的のものがほとんどであり、Proactiveな撤退はほとんど見られなかった。しかし、その中でも市場における企業の成長軸からのかい離を常にチェックする仕組みを有したり、過去の撤退事例を巧みに内部資源化しそれを社内で共有するとともに、オープンイノベーションを推進している企業においては、戦略的撤退と呼んでもよい事例が見られた。
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