研究概要 |
平成21年度は研究課題を遂行するために、先行研究の広範なレビューと、そしてそれをベースにして医療クリニックの院長の協力の下でアクション・リサーチャー養成プログラムの試行実験を行った。 先行研究のレビューからは、社会人の職場での学習成果を左右する要因についての興味深いいくつかのモデルを検討することがてきた。それらは、アダルト・ラーニング・モデル、シングルループとダブルループ・ラーニング・モブル、体験学習モデル、自己調整学習モデル、自己管理学習モデル、そしてPDCAモデルである。これらの先行研究のレビューは、「サービス業におけるプロフェッショナル人材への道」(『季刊イズミヤ総研』,第82号,2010年4月発行)として発表されている。また、イズミヤの協力で、同社人事部に推薦して頂いた3名の現場プロフェッショナルの「体験学習」について深いインタビューをする機会を得た。そのインタビュー結果は、「イズミヤの3名のプロフェッショナル人材の解剖」と題して、『季刊イズミヤ総研』(第83号)に掲載される予定である。 医療クリニックでのアクション・リサーチャー養成プログラムの試行実験は、平成21年9月より、協力医療クリニックでの代表的経営管理手法であるBSC(バランスト・スコア・カード)導入という形で取り組まれた。そこからはいくつかの重要な知見が得られた。例えば、看護スタッフによる経営用語の誤解や新しい経営手法の導入に対する戸惑いや不安、そしてそれらを除去するための方法の工夫、さらにはそれらの除去後の改革の予想を超えた進展などが新しい知見であった。これらの知見についても、当該医療クリニックの院長と共著の形で論文として発表の予定である。
|