研究課題
平成23年度においては、前年度での「アクション・リサーチャー養成用教育プログラム」に関する先行研究のサーベイと医療機関での実践の延長線上の研究活動として、引き続き豊岡市の宵田商店街(カバンストリート)の執行部による改革案の策定とその実施についてのフィールド調査、およびFMムーブの番組企画責任者へのヒアリングを主体にして研究活動を展開した。宵田商店街の執行部に対する平成22年度のヒアリング調査からは、改革を成功さぜるためには、3つの条件、すなわち(1)将来の経営ビジョンの策定、(2)ビジョンを実現するための戦略立案、そして(3)戦略実施への利害関係者の巻き込みが必要になることが明らかになった。その研究成果を受けて、平成23年度にはアクション・リサーチャーを養成するためのケース・メソッド用教材を研究協力者の辻村謙一氏と共に開発し、関西学生MBAフォーラムと共同で平成23年10月に関西学院大学の大阪梅田キャンパスにて実験授業を行った。実験授業にはカバンストリートの理事長と専務理事も参加した。この実験授業は成功であった。ティーチング・ノートを作成次第、本ケースを日本ケースセンターに登録する予定である。また、平成24年3月には宵田商店街を訪問し、商店街活動のその後の展開についてのヒアリングを行った。その内容は、ケース・メソッド用のケース教材(「宵田商店街」ケース(B))として執筆し、同時にティーチング・ノートを開発する予定である。カバンストリートについてのケース・メソッド用ケースの開発と実験事業の成功は平成23年度の大きな研究成果であった。この研究成果をベースとして、アクション・リサーチャー養成用教育プログラムの開発に結実させたい。また平成24年3月には、ミズリー大学カンザスシティ校を訪問し、高等教育機関マネジメント、医療経営マネジメント、自治体マネジメントの各研究所の所長とアクション・リサーチャーの養成についての意見交換を行い、ビジネス分野との問題の異同性についてのヒントを得た。
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Managing Retailing Growth, Proceedings of the 9th SARD Workshop
ページ: 70-88
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