本研究では、日本の製薬企業を研究対象として、ブロック・バスターの研究開発が、研究と開発という2つのプロセスに分離していることを示したうえで、それぞれのプロセスにおける研究開発投資の規模の効果を分析している。 本年度は、以下の4点について、本研究を推進した。 1.統計手法の改善と分析データの追加収集 統計手法の改善とともに、その改善に必要となる追加データを収集した。 2.事例分析資料の収集 研究プロセスと開発プロセスを担当する企業が、研究開発投資規模の観点から分離する傾向にあることを示す事例分析資料を収集した。 3.研究打ち合わせ 改善した統計分析の結果、事例分析の資料、を踏まえて、本研究の途中成果をまとめるため、研究代表者と研究分担者で研究打ち合わせを行った。 4.途中成果の研究報告 取りまとめた本研究の途中成果に関して、国際会議での研究報告を行った。途中成果の概要は以下の通りである。 同時方程式体系にて統計分析を行った結果、研究プロセスでは研究開発投資の規模の不経済が見られる一方、開発プロセスでは規模の経済が見られた。また、研究プロセスの成果は開発プロセスの成果に対して有意な影響を及ぼしていないことも明らかとなった。
|