研究概要 |
当初の研究実施計画に基づいて,以下の実績をおさめた。第一に,自動車メーカー,ディーラー,インポーター,業界団体等に対して,総計約200箇所の集中的なインタビュー調査および資料収集をおこなった。メーカーとしてはトヨタ自動車,日産自動車,ダイハツ工業,三菱自動車工業,ディーラーとしてはトヨタ,トヨペット,日産,ホンダ,三菱等の各チャネルおよび整備会社,業界団体等としては日本自動車工業会,日本自動車販売協会連合会,自動車流通関連企業としては,住友商事,豊田商事,ガリバー,東京海上火災,等でインタビュー調査および資料調査をおこなった。第二に,国内調査と並行して,中国では北京旧機動車交易市場等,計約30箇所,韓国で現代自動車等,計約25社での調査をおこなった。加えてロシアとインドネシア,フィンランドを訪問し,ロシアトヨタ,アストラモーター,豊田通商のディーラーを取材調査し,集中的な情報収集をおこなった。この結果,従来積み重ねてきたデータを豊富化することができ,流通系列問題における国際比較をおこなう上での比較の座標軸を豊富化,立体化するための基礎データ収集に成果をおさめた。とくにインドネシアを新たに調査した結果,日本国内の企業が東南アジア地域に展開しているディーラー経営を詳細に把握することが可能となった。さらに中国の調査によって,後発国における流通系列形成の歴史的過程とその論理,独立系の政府大手流通企業とメーカー系の流通ネットワークとの対抗関係等の現状がリアルに把握できることとなった。加えて国内調査では,従来の調査ではおこなえていなかった中古車輸出についても調査した。
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