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2009 年度 実績報告書

証券化手法を活用した保険事業組織の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21530437
研究機関山口大学

研究代表者

石田 成則  山口大学, 経済学部, 教授 (50232301)

キーワード金融持株会社 / 相互会社の株式会社化 / 包括移転制度 / 保険契約者保護 / 保険契約価値 / 契約者持分権 / 継承価値 / 暖簾価値
研究概要

保険事業における組織形態と関連して、包括移転と一部移転制度のあり方を取り上げ、それに付随する法律・会計などを含めて研究テーマとしている。「包括移転」とは、事業の譲渡や譲受ないし財産管理の委託のことであり、保険会社においてはその事業の全部または一部を別組織に移転することである。これまでは事業継続が困難な状況において、別組織に保険群団を丸ごと移転させることで、保険契約者保護を図ってきた経緯がある。つまりその意義は、破綻状態もしくは実質的破綻状況にある会社再建と当該保険契約者の救済にあった。しかしながら、英国等の海外事例を見ても、その意義や目的は破綻処理に限定されない広がりを見せている。現状では、従来からの破綻会社の保険契約移転だけでなく、新規事業展開に積極的に活用していく方向にある。事業全体のビジョンを描き、それに基づく「選択と集中」によりビジネスモデルを確定するために、事業再編のスキームとして活用するのである。また、他業態への試験的かつ斬新的な進出や海外事業展開にも活用可能である。当該年度は、英国における過去の事業再編スキームについて、移転契約毎の資産・負債評価、保険契約価値(EV)と各種準備金の評価を中心に、事例研究を実施した。とくに、その際における継承価値や暖簾価値および相互会社であれば契約者持分権の評価について、検討し取りまとめた。また、分社された子会社間の利益相反問題やそれに付随する契約者保護について、英国の規定について詳細に検討し、保険業法への示唆を得た。具体的には、移転金額の是非判断に配慮した規定を設けることで、保険業法に「包括移転」の項目を含めるように、改正すべきことを結論付けた。今後はこうした法規制の改定も視野に入れて、持株会社への移行などの事業組織改編のコスト・ベネフィットを、理論と実証の両面で研究する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 企業年金と規制の経済分析2009

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 雑誌名

      ジュリスト 1379

      ページ: 44、51

  • [雑誌論文] 米国中小企業における福利厚生の動向2009

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 雑誌名

      週刊社会保障 2556

      ページ: 44、49

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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