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2011 年度 実績報告書

証券化手法を活用した保険事業組織の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21530437
研究機関山口大学

研究代表者

石田 成則  山口大学, 経済学部, 教授 (50232301)

キーワード持株相互会社 / 資産・債務の証券化 / 事業再編成型M&A
研究概要

1996年の保険業法の改正以降、継続的に保険規制は緩和され、保険行政の質的な転換が進んだ。また、その後の金融システム改革も含めて、業態間の参入障壁は引き下げられ、業務範囲規制も緩和されたことで、保険経営の自由度は高められた。しかし、こうした規制環境の変化にあっても、保険契約者に対するワンストップ・サービスのメリットは生かされていない。また、多角的な競争を通じた、業務の効率化と契約者への利益還元も十分とはいえない。こうした要因のひとつとして、相互会社組織の問題を取り上げ、22年度はわが国の事例について、23年度は米国の事例について実証分析を行った。
まず、わが国の結果は以下の3点に纏められる。(1)パネル・データによる回帰分析結果からは、規制緩和の影響は検証されず、相互会社と株式会社を問わず、経営者の費用選好仮説が成立する可能性が高いことを指摘した。これは大手の保険会社が相互会社組織で営まれている帰結と考えられる。(2)既存の保険会社に労働生産性に伴う費用効率の上昇傾向がみられた。これは規制緩和のひとつの効果と想定される。(3)非効率の温床とされてきた販売面ではこうした影響はみられない。つまり、既存販売組織の効率化は遅れており、販売面での過剰投資は解消されていない。一方、ここ20年間に組織変更した米国保険会社(72社)の財務分析の結果、多くの会社で成長性指標と安定性指標は向上したものの、必ずしも収益性指標が高まっていないことが明示された。その原因は、業績悪化した保険会社が組織変更後に買収されるケースが多く、吸収・合併後に必ずしも事業再編に成功しておらず、収益性が悪化したことが考えられる。そこで、こうした事業再編のために必要とされる保険会社の資産・債権流動化の理論と実態を考察し、その促進のための政策提言を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 特定保険契約における説明義務と賠償責任のあり方2011

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 雑誌名

      生命保険論集

      巻: 176号 ページ: 111-143

  • [雑誌論文] 生命保険が老後所得保障に果たす役割2011

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 雑誌名

      退職後所得保障制度研究会論文集

      巻: 第1巻 ページ: 3-20

  • [学会発表] Longevity Crisis and the Role of Insurance Companies2011

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 学会等名
      Korea Insurance Academic Society (KIAS)
    • 発表場所
      ソウル市内韓国商工会館
    • 年月日
      2011-05-13
  • [図書] 新たな保険経営組織と事業再編スキーム2011

    • 著者名/発表者名
      石田成則
    • 総ページ数
      109-149
    • 出版者
      生命保険文化センター

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公開日: 2013-06-26  

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