本研究は、広告産業の構造-メディアと広告主、広告代理店および消費者-と広告の機能の変遷について考察である。 21世紀の広告取引が変化する根底にある「広告ビジネスの構造」と「広告の機能」はインターネット時代に入り大きく変わった。メディア変革が起こった1995年から2010年に焦点を当て研究を行う。広告会社はクライアントの問題ソリューションの時代へ変遷している。 2011年3月11日東日本大震災から日本の広告機能につては大幅な見直しが行われた。これまでの広告研究はマスメディア(新聞からテレビメディアの発展構造)中心であった。デジタル時代の到来とともに2010年が「電子書籍元年」。2011年は「ソーシャルメディア元年」「スマホ(スマートフォン)元年」といわれる。それとともにツイッターやフェースブックなどがマスメディアと交差しながらもメディアの主流の座につこうとしている。特にフェースブックは2012年の今年、世界メディアとして日本でも大躍進を続けている。一方。ソーシャルメディアのもたらす弊害は情報社会問題になりつつある。特にステルスマーケティング(ステマと略称される、隠密マーケティング)がもたらすマーケティング、PR、広告はクロスメディア、IMC活動に伴いこれまでのコミュニケーション活動分類の境(際)が崩れている。マーケティングの社会問題である。 本広告研究は人間行動をマーケティング(市場におけるモノ、サービスと環境の関係学)とコミュニケーション(人間と対象との感情交流を解釈学)を用いて統合的に理解することである。広告は「豊かさ」に効くのか、という規範的効用から、「豊かさとは、人間の豊かさと広告はいかなる関係にあるのか」を命題にした社会合意形成機能について整理した。
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