研究課題/領域番号 |
21530442
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
若林 敬造 日本大学, 生産工学部, 教授 (90201144)
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研究分担者 |
佐藤 馨一 北海商科学大学, 商学部, 教授 (00091455)
藤田 祐 産業能率大学, 経営学部, 教授 (10238587)
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キーワード | 輸送経路選択 / TMS / トラック輸送 / 帰り荷確保 / 長距離輸送 / モーダルシフト |
研究概要 |
これまでは帰り荷確保の対象となるトラック輸送活動を発荷地→着荷地→帰り荷確保地→帰り荷着荷地→発荷地のルートに基づくモデル化により一般化し、このモデルにおいて、帰り荷確保によりトラックの積載効率が向上する条件を明確化し、環境負荷低減を配慮した帰り荷確保意思決定基準を提案してきた。さらに、提案基準の効果を検討するため、長距離および短距離輸送のシミュレーションを行い、提案した意思決定基準が輸送トンキロ当たりCO_2排出量の低減および限界利益の向上に対して効果があることを確認した。 長距離輸送のシミュレーション結果からは、帰り荷確保を行わなければ運送事業者の限界利益が得られない現象が確認され、長距離輸送では帰り荷確保がほぼ常態となっている現状を再認識した。 この状況下で長距離輸送における環境負荷低減をさらに推し進めていくためには、TMSがモーダルシフトを視野に入れつつ、環境負荷の低い輸送経路をうまく選択する機能を持つことが重要となってくる。 そこで発荷地と着荷地からルート案内APIで求めた輸送距離と各種統計資料上の原単位に基づき、実際の輸送重量に関係せずに荷物1トンに対するCO_2排出量概算値を簡単に計算して、その値から適切な輸送経路を選択する方法を提案した。さらに、首都圏~北海道の長距離輸送を例として、トラック+鉄道による経路とトラック+フェリーによる経路を選択させるシミュレーションを行い、提案した経路選択法の効果を見出した。 また帰り荷確保意思決定基準を活かした輸送シミュレーションを、一企業全体の活動に拡張する準備として、TMS利用の主体となる3PL企業の現状を調査した。
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