研究課題/領域番号 |
21530444
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
渡部 和雄 東京都市大学, 環境情報学部, 教授 (90244532)
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研究分担者 |
岩崎 邦彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40315213)
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キーワード | 商学 / 経営学 / 電子マネー / 地域商業 / 商業活性化 |
研究概要 |
本研究の目的は主に以下の5点を明らかにすることである。 1.電子マネーの普及地域、非普及地域を3カ所程度ずつ選び、消費者の電子マネーへの意識と利用意向の違い、利用者と非利用者の意識の違い、非利用者が利用しない理由の違いなど。 2.地域による交通環境や買い物環境などの違いが電子マネー普及率や消費者の利用意向に及ぼす影響 3.地域への電子マネー普及のための条件や課題、電子マネー事業者の普及戦略 4.電子マネーによる地域商業振興の事例、地域商業者の電子マネーへの考え、海外の先進活用例 5.電子マネーを活用した地域商業活性化のための戦略、地域に適した戦略 これらの目的に沿って、平成23年度は以下について調査した。 ・目的1~3に関連して関東地方における電子マネーの普及状況および利用状況の調査 関東地方1都6県の政令指定都市および県庁所在地において、計1,770名にアンケート調査を行った。 対象者にな電子マネーに対する意識や利用状況、満足度、継続利用意向、要望、非利用者が利用しない理由などを尋ねた。その結果、地域による交通環境や買い物環境などの違いが電子マネー普及率や消費者の利用意向に影響を及ぼしていることが確認でき、今後の普及方策や地域商業活性化策を提案するための基礎データが得られた。 ・目的4、5に関連して電子マネーを活用した地域の商店街、商店の活性化事例の調査 長崎県長崎市において実施されている電子マネーを中心とした地域商業活性化について、目的や規模、組織体制、効果、課題などをインタビューや実地調査を行った。その結果、電子マネー利用が地域商業の活性化に貢献していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この3年間で関東地方や中部地方、関西地方の消費者に2回のアンケート調査を行い、交通機関利便性や買い物利便性などの地域特性や地域の消費者の意識が電子マネー普及に及ぼす影響やそれらの関連性が見えてきた。また、長崎市や高松市で電子マネーの地域商業への影響を調査した。これらの研究調査により、本研究の目的達成に近づいている。残り1年の研究期間で、アンケート結果の詳細な分析を行い、さらに地域商業活性化事例を調査することにより、本研究の目的が達成されるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
1.関東地方の消費者の電子マネーに対する意識と普及課題の調査、分析(渡部) 静岡、名古屋、大阪などにおける消費者の電子マネーに対する意識と利用意向に関してのアンケート調査及び分析を発展させる。電子マネーSuicaが比較的普及している関東地方を対象として行ったアンケート調査の詳細な分析を行い、電子マネー普及要因を明らかにする。 2.電子マネーを活用した地域の商店街、商店の活性化事例の調査(渡部、岩崎) 横須賀市や名古屋市、福岡市など各地で実施されつつある電子マネーを中心とした地域商業活性化について、目的や規模、組織体制、費用、効果、課題などをインタビューや実地調査する。また、商店主にアンケート調査を行う。最後に各事例についてまとめると共に、共通点を探る。 3.地域商業の活性化事例の調査(岩崎) 商店街整備、地域通貨、地域連携など、他の方法による地域商業の活性化事例を実地調査および文献調査する。
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