本研究は、売り手-買い手-ユーザーという三者間の視点に立ち、産業財におけるブランドの効果と機能を分析したものである。現時点での主な分析結果は次のようである。(1)完製品に占める成分の重要度を、買い手企業の知覚とユーザーの知覚に分類して分析することにより、プッシュ型とプル型ブランディングを混合した4類型のブランディング・パターンが識別できた。(2)完製品ブランドと成分ブランドを組み合わせて消費者に訴求する場合、ユーザーの評価(知覚品質・知覚価値・購買意図・推奨意図など)により多くの影響力を持つのは完製品ブランドよりはむしろ成分ブランドであることが、1656の大量サンプルを用いた多変量分散分析の結果、示された。
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