本研究はブランド価値の崩壊に至る過程について分析したものである。ブランド価値の創造とブランド価値の崩壊は対極にあるというよりも、表裏一体にあるといったほうが理解しやすいであろう。ブランドが崩壊していく端緒にはその企業の経営者・従業員がそれまで蓄積されてきたそのブランドの価値を認識していないことが問題の本質にあると指摘できるのである。それは消費者に感覚価値や観念価値として認識され支持されているブランドにも関わらず、単なる商品として扱い、何か問題が発生すると、組織としての機能不全に陥り、内向きの組織防衛に走り、ブランド価値の弱体化につながり、結果としてブランド価値の崩壊に向かうからである。ここに組織におけるブランド価値の認識のための施策が求められるのである。
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