研究目的: 本研究の目的は、中国と台湾のビジネス・ネットワークにおいて、中小製造企業のイノベーション活動を理論的に把握することである。この目的に基づいて、平成23年度の研究内容は次の2つである。 1 中国の中小製造企業に対する質問票調査の実施 中国経済が急速的に発展したとはいえ、中小製造企業の経営者や管理者たちが学術的な調査に対して、依然として保守的であるため、22年度に完成する予定の質問票調査が23年度まで持ち越した。今回は上海の調査会社を利用し、上海及び常州に位置する中小製造企業に調査を実施した。248部の質問票を配布したが、128部の回収があった。不完全回答の質問票を除き、実際に分析にしようしたサンプルは70。 2 台湾と中国の調査結果の比較分析 22年度に収集した台湾のデータと今回新たに収集した中国のデータを比較しながら分析した。最も重要な発見物は、緊密なビジネス・ネットワークの中に組み込まれた台・中の中小製造企業の業績はそれぞれのマーケティング活動よりも業界全体の市場規模に影響されるということである。特に経済成長が著しい中国の中小製造企業のほうが、その傾向が強い。 中国の調査結果は、2012年のIMP学会に報告として申請中。 台・中中小製造企業の比較調査の結果は2012年7月の学内紀要に投稿申請中。
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