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2011 年度 実績報告書

監査サービスの変容が会計情報と資本市場に及ぼす影響の実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 21530462
研究機関神戸大学

研究代表者

高田 知実  神戸大学, 大学院・経営学研究科, 准教授 (00452483)

研究分担者 村宮 克彦  神戸大学, 経済経営研究所, 講師 (50452488)
キーワード財務会計 / 監査 / 内部統制 / 内部統制報告 / 実証研究
研究概要

本研究の目的は、監査サービスの変容が会計情報と資本市場に及ぼす影響を実証的に明らかにすることである。この目的を達成するため、(1)関連する文献のレビュー、(2)データの収集、(3)実証分析の実施、(4)研究成果のまとめと報告、および(5)査読付雑誌等への投稿という手順で研究を進めることを計画していた。
本年度は、昨年度より行っている実証分析の研究報告と分析内容の精緻化、ならびに査読付き学術雑誌への投稿に重点を置いた。本年度は研究期間の3年目であるため、(3)、(4)、(5)を中心に行った。昨年度には、内部統制の不備が経営者の公表する利益予測の精度に及ぼす影響を実証的に解明したが、本年度は、当該研究をより洗練すべく、内部統制に何らかの不備があると考えられる決算短信の修正を行った企業を中心に研究を深化させた。その研究成果は、6月の韓国会計学会の年次大会で発表した。本研究によって得られた実証結果を要約すると、(1)内部統制に重要な欠陥があると報告した企業および決算短信の修正を行った企業は、その他の企業よりも経営者の公表する次期利益の予測精度が低い。ただし、その傾向は特に決算短信の修正を行った企業について有意である。また、(2)当該予測の精度は、楽観的なバイアスによるものである、というものである。内部統制に重要な欠陥があると報告した企業の業績予想精度は分散が大きいため、決算短信の修正を開示した企業をコントロールした場合には、当該報告と業績予想の精度には有意な関係が観察されないことが、このような結果をえた原因があると思われる。内部統制に重要な欠陥があると報告する企業に比べると、決算短信を修正する企業の数は相対的に多い。本研究の結果は、市場において一定数存在する決算短信の修正企業は、精度の低い予測情報を開示するという先行研究にはない結果を提示したことに重要性が認められる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間を通じて、2件の研究成果を公表し、うち1件については海外の査読付雑誌に投稿中である。そのため、刊行物としての最終的な研究の公表までは少し時間を要するが、監査サービスの変容が会計情報と資本市場に及ぼす影響についての分析は、当初の予定どおりに達成できたと思われる。

今後の研究の推進方策

近年、監査制度ならびに監査サービスはめまぐるしく変動している。本研究により、2件の研究成果を公表することができたが、これまでの監査制度・サービスの変化が会計情報や資本市場に及ぼす影響の全てを十分に検証できたとはいえない。また、監査制度・サービスは、国際的な調和化の流れも受けて、今後も変貌を遂げてゆくことが予想される。そのため、本研究課題によって達成した研究成果をもとに、今後も実証研究という形で同課題に取り組み、制度の評価・設計に役立てることが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Reporting of Internal Control Deficiencies, Restatements, and Management Forecasts2011

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Takada
    • 学会等名
      Korean Accounting Association Annual Meeting
    • 発表場所
      済州島(韓国)
    • 年月日
      2011-06-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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