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2009 年度 実績報告書

上場企業のIFRS導入に伴うコスト・ベネフィットに関する国際比較・実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 21530468
研究機関九州大学

研究代表者

小津 稚加子  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (30214167)

キーワードコスト・ベネフィット / 国際財務報告基準(IFRS) / 会計方針の変更 / 日本の上場企業 / 意識調査 / CFO
研究概要

この申請課題は、産業界と密接に関係している研究である。アドプションであれ、コンバージェンス(相互承認)であれ、国際財務報告基準(IFRS)という規準の異なる規制を導入するとすれば日本企業には等しく痛みが生じる。申請課題では、IFRS導入のさいに日本企業に生じる痛み(すなわち、コスト)について分析し、同時に、日本企業が受けるベネフィットを、上場企業の財務担当取締役(CFO)の目を通して発見することを目的としている。
第一年度は、IFRS対応の方向性が固まり、「連結先行」が公表された直後に実施したアンケート調査を単純集計し、調査を通して、上場企業のCFOが抱いているIFRS導入の課題を明らかにした。結論として、以下のことが指摘できた。
第一に、IFRS導入がもたらす全般的な課題として、「経理担当者のトレーニング」が浮上している。IFRS教育が現場で行き届いていない実態が鮮明になり、CFOもこのことを強く認識している。第二に、これまでIFRS導入は財務報告、認識・測定問題として議論されるのが常態であったが、ITシステムのIFRS対応作業は、管理会計とも関連があることが確認できた。会計規制の要求を受けずに、企業が柔軟な会計実務をしてきた領域にも影響が及びそうだといえる。第三に、IFRSの不確実性(解釈、将来変更される可能性など)が作成者の困難領域を増幅している可能性がある。反対に、ベネフィットとして外国企業との財務諸表の比較可能性の向上が指摘された。日本企業との比較可能性は、ライバル企業がIFRSを導入している場合、向上が期待できるという見解があった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 国際財務報告基準(IFRS)導入のコスト・ベネフィット調査-単純集計結果-2010

    • 著者名/発表者名
      小津稚加子
    • 雑誌名

      平成21年度科学研究費補助金基盤(C)報告書

      ページ: 1-43

  • [雑誌論文] 国際財務報告基準(IFRS)導入のコスト・ベネフィット調査2009

    • 著者名/発表者名
      小津稚加子, 進美喜子, 潮崎智美
    • 雑誌名

      会計・監査ジャーナル Vol.21

      ページ: 109-115

  • [学会発表] IFRS導入のコストとベネフィットに関する日本企業の意識調査2009

    • 著者名/発表者名
      小津稚加子、潮崎智美
    • 学会等名
      日本会計研究学会第68回大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      20090900

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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