研究概要 |
本年度は,実態調査に先立って,(1)監査の品質について文献考察等により,監査理論上及び法律上等の位置付けを整理・考察し,(2)諸外国における実態調査,実験研究等の成果をもとに,それらの研究における問題意識及びそれらの調査等に関する考察を行った。 また,実際に日本の財務諸表監査業務に従事している監査担当者を対象として,今後の本格調査の準備としてのパイロット・テストとして実態調査を実施した。調査は,日本国内の大規模監査法人,並びに,地方及び中小の監査法人に対して,広く実施した。今後は,海外の監査事務所の状況についても,パイロット・テストを実施していく予定である。 現在,面接調査の結果を分析し,実態調査のための調査モデルの検討を進めている。パイロット・テストの結果を踏まえ,客観的な公表データ及び他機関等による収集データ等(「監査人・監査報酬問題研究会」の調査結果や,Audit Analysis社による監査関連データ)を利用しつつ,調査対象となった監査事務所及びその事務所の品質管理状況についての検討を行い,今後の広範な調査に適用可能なモデルの検討を行っている。 なお,上記の研究の最終成果は研究論文として公表していないが,上記の過程で得られた知見を利用しつつ,後掲の研究成果を公表している。
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