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2011 年度 実績報告書

多角化ディスカウントの実証研究-日本の大規模企業の財務報告とガバナンスのあり方

研究課題

研究課題/領域番号 21530479
研究機関法政大学

研究代表者

中野 貴之  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70287952)

キーワード多角化ディスカウント / セグメント情報 / 連結利益
研究概要

国内外の資本市場において、(A)事業多角化(製商品・サービス分野の多角化)および(B)地域多角化(生産・販売拠点のグローバル化)が進展しているほど、企業価値が低くなっている、という現象が観察されている。かかる現象は、多角化ディスカウントと称され、機関投資家およびアナリスト等、投資専門家の間で共有されている一つの見方である。
本研究の目的は、(a)多角化ディスカウントは、実際、生じているかどうか、(b)いかなることが原因となっているかどうか、(c)多角化ディスカウントに陥っている企業群は、どのような会計情報開示行動あるいは経営行動をとるべきかどうか、という三つの課題を実証的に明らかにすることである。
本年度は、これらの点に関する研究成果を論文として公表した。発見事項は、次のとおりである。
第一に、上記(a)については、両多角化ともディスカウント評価されていることを発見した。第二に、(b)については、多角化企業は、情報の非対称性が大きいためにディスカウントされていることを発見した。第三に(c)については、質の高い会計情報を提供することによってディスカウント評価は緩和されるものの、非関連多角化など、過度に多角化が進展している場合には情報開示効果は見られないことを発見した。
また、本研究では、事業構造の複雑性という点で、連結利益に対する市場評価も関連していることから、学会発表および論文を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(a)多角化ディスカウントは、実際、生じているかどうか、(b)いかなることが原因となっているかどうか、(c)多角化ディスカウントに陥っている企業群はどのような会計情報開示行動あるいは経営行動をとるべきかどうか、という当初の研究課題についてほぼ解明できており、その研究成果の論文作成および発表が一部残るという状況にある。

今後の研究の推進方策

研究最終年度であるため、まだ公表が終了していない研究成果について、専門学術誌において発表する予定である。また、研究計画当初は予定していなかったが、セグメント情報開示基準が改訂されたため、多角化ディスカウントにどのような効果を及ぼしているかについて追加的に検証する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 連結利益に対する市場評価2012

    • 著者名/発表者名
      中野貴之
    • 雑誌名

      年報経営分析研究

      巻: 28 ページ: 49-59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 非連結企業の会計と開示2012

    • 著者名/発表者名
      中野貴之
    • 雑誌名

      法政大学キャリアデザイン学部紀要

      巻: 9 ページ: 161-177

  • [雑誌論文] 多角化ディスカウントに関する実証研究2011

    • 著者名/発表者名
      中野貴之
    • 雑誌名

      国際会計研究学会年報-2010年度-

      ページ: 117-134

  • [学会発表] 連結利益に対する市場評価2011

    • 著者名/発表者名
      中野貴之
    • 学会等名
      日本経営分析学会第27回秋季大会
    • 発表場所
      帝塚山大学学園前キャンパス
    • 年月日
      2011-10-29

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公開日: 2013-06-26  

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