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2010 年度 実績報告書

連結会計情報の有用性に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530487
研究機関関西学院大学

研究代表者

山地 範明  関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (50230438)

キーワード企業価値 / のれん / のれん償却費 / 減損処理 / 企業結合 / パーチェス法
研究概要

企業結合により生じるのれんは、一般に超過収益力を表すものとして資産計上されるが、証券市場においては株価との関連性(relevance)が高いと認識されているのかを検証する必要がある。また、のれんを他の資産や利益情報と比べた場合、のれんの株価との関連性はどの程度高いのかについても検証する必要がある。これまで、のれんの会計処理については多様であったが、国際的には資産計上するが規則的償却は行わず、減損処理を行うという会計処理に収斂しつつある。
わが国では、のれんは資産計上され規則的な償却が行われ、その価値が損なわれたときに減損処理が行われる。のれんの規則的償却を行う処理と行わない処理では、当期純利益の金額が異なってくる。多くの情報利用者は、1株当たり当期純利益の分析にあたって、のれん償却費を控除しているといわれるが、のれん償却費控除前利益とのれん償却費控除後利益を比べた場合、どちらの方が株価との関連性が高いのであろうか。これら2つの疑問に応えるため、今年度は連結財務諸表において計上されるのれんおよびのれん償却費の価値関連性(value relevance)について実証的に検証した。
のれんの価値関連性に関する実証結果からは、のれんは資産として評価されており、企業価値のプラス要因であることが明らかになった。とりわけ、製造業よりも非製造業において、のれんの価値関連性が高いことがわかった。一方、のれん償却費の価値関連性に関する実証結果からは、のれん償却費控除前の当期純利益の方がのれん償却費控除後の当期純利益よりも価値関連性が高いことが明らかになった。この実証結果から、わが国においては、のれん償却費は、企業価値を評価する際に有用な情報を提供していることを示していることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The Value Relevance of Goodwill and Goodwill Amortization : Evidence from Listed Japanese Companies2011

    • 著者名/発表者名
      山地範明
    • 雑誌名

      ビジネス&アカウンティングレビュー

      巻: 第7巻 ページ: 19-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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