研究課題/領域番号 |
21530488
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
阪 智香 関西学院大学, 商学部, 教授 (10309403)
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研究分担者 |
大鹿 智基 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (90329160)
尾畑 裕 一橋大学, 商学研究科, 教授 (20194623)
長束 航 福岡大学, 商学部, 准教授 (70329069)
溝口 周二 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (30200033)
渡辺 剛 福岡大学, 商学部, 准教授 (30269493)
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キーワード | サステナブル・バランスト・スコアカード / カーボン / 非財務指標 / 企業社会実績 |
研究概要 |
本研究では、現時点で世界で唯一得られるCO_2排出量データ(日本企業の排出量データ)を用い、CO_2排出量が企業価値に与える影響を分析し、これまで不明瞭であった、気候変動情報と企業価値との関連を明らかにした。研究成果の概要は、下記のとおりである。これらの研究成果は、現在国際的に議論がなされている気候変動情報の開示の枠組みを構築するにあたっても有用な証拠となると考える。 1. 企業のCO_2排出総量と売上高一単位あたりCO_2排出量が、企業価値に対して負の影響を有すること。また、CO_2排出量が増加(減少)した企業の株価リターンが低い(高い)ことを示した。 2. 企業のCO_2関連情報開示であるカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)への回答が、CO_2排出による企業価値への負の影響を緩和することを示した。 3. 企業の排出量取引制度への参加が、CO_2排出量による企業価値への負の影響を緩和することを示した。 4. CO_2排出削減に対する中期計画を策定している、または、継続的に環境パフォーマンスを向上させるしくみであるISO14001の認証を取得していることが、CO_2排出量による企業価値への負の影響を緩和することを示した。 5. 非財務指標の管理を通して財務パフォーマンスを強化するツールであるサステナブル・バランスト・スコアカードを用いて、企業の環境対策活動と企業の財務パフォーマンスが関連すること(環境にやさしい企業が高い株価リターンまたは高い株価を享受すること)を示した。また、カーボン戦略マップによって、これまでブラックボックスであった各環境活動からカーボン財務効率向上への道筋を初めて示した。
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