企業成果コーポレート・ガバナンスとの関連については、前年度までの研究課題番号18530319の「浮動株比率等で見る企業パフォーマンスの関係についての実証分析」において調べ、その結果を、部分的に日本経営財務研究学会等で発表した。コーポレート・ガバナンスの違いを代理する(説明)変数として、"経営者報酬"を用いた上での、企業成果(被説明変数)との関連を分析した先行研究は、欧米諸国において早くからかつ多く発表されてきたので、それら文献資料およびデータ源の渉猟に努めた。K.J.Murphy(Rochester大学)による先駆的研究、S.N.Kaplan(Chicago大)らが行ったこの種のテーマに関する各国間比較研究において、とくにアメリカ・英国とドイツ・スイス等のヨーロッパ諸国、わが国等アジア諸国、オーストラリア・カナダ等各国間での経営者報酬の開示状況(透明度)自体の違いは、依然として多く見られた。そのため、デンマークKopenhagen Business Schoolで、Thomsen教授に面会・情報交換も図った。最近では、ドイツにおいても役員報酬開示について法制改正があり、わが国でも目下、(1億円超)役員報酬個別開示について一部ながら開示が準備中である。今年度も継続して、本研究テーマに関する実証分析に必要なデータ収集に努力する。
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