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2011 年度 実績報告書

リスクと監視と個人化の行方-個人と社会を「切りつつ結ぶ」こと-についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530497
研究機関神戸大学

研究代表者

三上 剛史  神戸大学, 大学院・国際文化学研究科, 教授 (80157453)

キーワード個人と社会 / リスク社会 / ディアボリズ / N・ルーマン / 個人化 / 連帯 / 公共性 / 親密性
研究概要

本年度は、昨年度に報告した二つのシンポジウム(ウルリッヒ・ベック来日記念シンポジウム「個人化論の位相」、日本社会学史学会50周年記念シンポジウム「個人化する社会の個人」)を、それぞれ単行本ならびに学会誌に論文化して掲載することができた。
これを踏まえて、新たに発生した東日本大震災を念頭においた分析を手掛け、これを日仏社会学会大会シンポジウムでの報告「ディアボリックなものとシンボリックなもの-リスク社会の危険」として発表した。ここでは、来日したフランスの著名な研究者であるアンリ・ピエール・ジュディ氏の基調報告に対応させる形で、リスク社会における個人と社会の「切りつつ結ぶ」様相について議論した。この報告は、間もなく『日仏社会学会年報』に論文の形で掲載される予定である。
これに加えて、本年度は、京都大学グローバルCOEでの研究会活動の成果を取り入れ、同研究会で報告した「公共圏と親密圏のディアボリズム」とベースとして、個人と社会との新たな関係を見据える研究を進めた。この成果も、来年度に論文化され、単行本に収録されることになっている。
これら以外に、二つの著書に論文を収録しているが、いずれも、ポスト近代と呼ばれる現代社会において、個人と社会の関係をどのように捉え直すかに関わる論考であり、本研究のテーマに沿ったものとなっている。
以上の研究成果から分かるように、本年度は、課題研究終了一年前として、これまでの成果を形に表し、さらに新たな方向に向けて、東日本大震災を念頭においた新しい社会関係の模索に開いた研究を見出すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)としてもよいが、慎重を期して(2)としておく。すでに、本研究課題の成果に近い著書(『社会の思考』2010)を刊行しており、また、本年度も幾つかの論文・著書で、本研究課題の成果を発表することができたからである。もっとも、「個人と社会を切りつつ結ぶ」社会学の構想は、東日本大震災の発生によって、更に新しい方向に展開する必要も出てきた。そういう意味で、今後の研究への新たな課題もあるという点で、(2)とした。

今後の研究の推進方策

上記11で(2)としたように、研究の推進はおおむね順調に進展している。来年度は最終年度であるので、これまでの成果をまとめて報告書の形で刊行する予定である。その意味では、本課題は、来年度に一応のまとまりを見ることになるのであるが、研究期間内に発生した、東日本大震災の影響を盛り込むという点では、来年度もまた新たな視点の獲得に向けて新展開を期することになるであろう。可能ならば、この点は、次期の研究課題として、新たな形で科学研究費を申請する方向に発展させたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] <個人化>する社会の個人2011

    • 著者名/発表者名
      三上剛史
    • 雑誌名

      社会学史研究

      巻: 33 ページ: 41-58

    • 査読あり
  • [学会発表] ディアボリックなものとシンボリックなもの-リスク社会の"危険"2011

    • 著者名/発表者名
      三上剛史
    • 学会等名
      日仏社会学会
    • 発表場所
      日仏会館(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-22
  • [図書] よくわかる社会学史2011

    • 著者名/発表者名
      早川洋行
    • 総ページ数
      30-43
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 社会学的思考2011

    • 著者名/発表者名
      井上俊・伊藤公雄
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      世界思想社
  • [図書] リスク化する日本社会2011

    • 著者名/発表者名
      ウルリッヒ・ベック, 他
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2013-06-26  

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