研究課題/領域番号 |
21530521
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
平 英美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10135501)
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研究分担者 |
豊田 久美子 京都市立看護短期大学, 看護学科, 教授 (30252505)
石川 ひろの 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40384846)
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キーワード | RIAS / 会話分析 / コミュニケーション / ターミナルケア / アネムネ |
研究概要 |
初年度の21年度は、データの収集が中心であった。現在も継続中であり、分析はまだ十分でない。しかしながら、出石さんが取り組んだG病院のアネムネのデータなど、部分的にではあるが、以下の2点のように結果の公表に至ったものもある。(これらについては、学会にて発表予定) 入院時アネムネについて、患者-看護師間のコミュニケーションデータをRIASにより分析した結果、例えば、看護師の「肯定的カテゴリー」は、看講師の「情緒的カテゴリー」の使用、患者からの「医学的情報」「看護的情報」と正の相関を示していた。看護師の肯定的な発話が増えるにれ、患者にとって思いを表出しやすい環境になることが分かる。また、患者の「否定的カテゴリー」の使用は看講師の3倍以上になるが、そのような患者は、アンケート結果からはむしろ「看講師は思いを理解してくれた」と肯定的に評価していた。患者の多くは、患者サイドに立って医師との橋渡しをしてくれる存在として看護師を捉えている。 また、SP(模擬患者)を使った学生のデータと比較しつつ、ベテラン看護師とコミュニケーションのスタイルや技法がどのように異なるのかを会話分析的に検討してみた。Sの結果、例えば、患者の言動への過剰とも見える反応が、一定は、意図的な自己提示の結果である場合もあるが、看護師自身が患者との身体的距離を縮めているにもかかわらず、後で訪ねると患者の方が接近してきたと語っていたケースのように、かなり無意識的になされていることが明らかになってきた。
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