イタリア社会的経済は、90年代半ば以降、自治体からの受託事業を軸に雇用、事業費ともに大きな伸びを示したが、近年では、それに加え、自治体が政策上のイノヴェーションをはかる上での欠かせない連携先とみなされるようになっている。こうした関係の構築を支えているのが「補完性原理」である。同原理をめぐっては、イタリアに特徴的な受容・再構成が見られ、特に「水平的補完性」の戦略的位置づけが、サードセクターによってなされたことが、行政サービスの下請け的な執行のみならず、制度設計プロセスへの参加を正当化するものとなっている。
|