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2011 年度 実績報告書

地域における公害経験の社会的活用に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530559
研究機関明治学院大学

研究代表者

藤川 賢  明治学院大学, 社会学部, 教授 (80308072)

キーワード社会学 / 公害 / 環境問題 / 地域社会 / 経験の社会的活用
研究概要

本研究は、公害経験の社会的活用に関する各地の事例から、四大公害訴訟以後の日本の公害経験を世界に紹介するための基礎をつくることを目的として、(1)神通川流域のカドミウム問題発生源対策を中心に、重要だが記録の少ない事例についてケーススタディを行うこと、(2)近接領域で公害研究を進める研究協力者とともに、事例を横断する枠組みをつくっていくこと、(3)それらを国際的に共有できる成果にするための準備を整えること、の3つの課題に取り組んできた。
それについて、(1)神通川流域では、公害発生源対策が平成23年8月に40年に達し、筆者もその記念集会でこれまでの研究成果の一部を報告した。同地域ではその他にも土壌復元工事の完了、富山県立イタイイタイ病資料館の開館など、近年、一つの節目を迎えつつあり、その動向については調査継続中である。また、その他の地域では、北九州の公害克服とエコタウン事業、宮崎県土呂久のヒ素汚染問題とそれに続くアジアでのNPO活動について、調査を重ねて来た。(2)研究協力者とは、これらの事例調査に関して意見交換を行うとともに、香川県豊島の産廃問題や、福島での原発事故なども照会しながら、公害経験が現代にもつ意味、被害の実態把握、環境問題を経験した地域の再生、等について、ともに学びつつある。それらを踏まえて、(3)他国での環境政策や環境問題に関する文献を参照して、アジアや日本の特徴を考察している。リスク、予防原則、熟議など、環境対策を政策の主要課題に採り入れることに成功した北欧や西欧の国々にたいして、日本では、被害者や地域を軸とした、独自の取り組みが見られる。それらの経験がどのように他地域でも応用可能な意味を持つのか、検討中である。とくに被害に関する社会学的視点は、放射能汚染問題の今後を考える上でも有意味なものと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 公害解決過程の事例比較に向けた意義と課題-インド・ボパール事件と日本の公害から-2012

    • 著者名/発表者名
      藤川賢
    • 雑誌名

      社会学・社会福祉学研究(明治学院大学)

      巻: 137号 ページ: 19-46

  • [学会発表] 過程としての環境問題をどう捉えるか-事例比較と年表の詳細化2011

    • 著者名/発表者名
      藤川賢
    • 学会等名
      環境社会学会第43回大会
    • 年月日
      20110000

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-09-01  

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