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2009年度から2010年度にかけては、岐阜市を対象として、日本人住民から見たムスリムを含めた外国人と日本人および地域社会との関係について、その実態と日本人住民の意識を把握すること、およびその研究成果を発表することを主な目的とした。
岐阜市西部には、2008年7月に開設した「岐阜モスク」があり、滞日ムスリムと日本人地域住民の間の交流や軋轢などが想定された。本調査では、モスクの周辺地区に居住する20歳以上70歳までの日本人男女1000人を対象者として、2009年10月から11月にかけて、郵送法により、「外国人に関する意識調査」を実施した。446人からの有効回答(有効回収率44.6%)が得られ、調査結果によると、イスラームについて十分な情報がないため、ムスリムとのつきあいに慎重な意識を持ったり、イスラームへの否定的なイメージが窺われた。なお、岐阜市の多文化共生政策に関する資料として調査結果の一部が参照された(『岐阜市多文化共生等推進基本計画』2010年8月)。
ただし、2010年度は研究代表者の体調不良のため、5月末以降に研究が中断し、補助金の一部を翌年度に繰り越すこととなったが、中断前の2010年5月の日本中東学会大会にて岐阜市の調査報告を実施した(3本の研究発表を実施)。その後、体調がある程度回復した年度末に、2009年より開始したモスク代表者会議の第3回会議を開催した。この会議では、「日韓ムスリム・コミュニティの現状と展望」をテーマとして、両国のムスリム・コミュニティが抱える現状の把握と将来課題について、議論を行った。
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