2010年度は、6月に早稲田大学でASCJ大会が開かれ、「60年安保」のパネルで報告を行なった。7月には渥美半島の文化サークル運動に関する聞き取りを実施した。これらと並行して、5・7・9月には広島と神戸で「『われらの詩』研究会」に参加。メンバーの重なる戦後文化運動合同研究会の年次大会打ち合わせも行なった。11月には高田佳利氏の協力のもとに、50年代の銀行におけるサークル文化運動関係者にインタビューを実施、合わせて資料をいただいたり複写したりすることができた。12月には大阪で第5回戦後文化運動合同研究会を実施(セッション司会と総合討論報告、研究協力者・池上善彦氏と山本唯人氏の討論参加)、また、二松学舎大学での占領・戦後史研究会大会シンポジウムにパネラーとして登壇した。3月には「「サークル村(第2期)」終刊50周年記念集会」にて報告をするとともに、関係者にインタビューを実施した。以上と並行して、毎月「文化工作研究会」(50年代サークル運動の研究会、東京外国語大学)に参加するとともに思想の科学研究会において「サークル戦後史研究会」に参加して、サークル運動の聞き取りを進めている。 「とけいだい」の複写とPDF化については当初予定したほどは進めることができなかったが、2011年度中に完成したい。浜賀知彦氏所蔵のサークル雑誌については、今後とも聞き取りと資料複写を継続したい。九州筑豊については研究者や関係者との交流が進んでおり、共同研究の場をいくつか設けることができたこともあり、今後も適切な提携関係を結んでいきたい。秋田・山形のサークルについては、文献収集に着手し、秋から本格的な聞き取りに入りたい。 下記業績以外の関連業績としては、「上野朱『父を焼く』書評」(『週刊読書人』2010年11月26日号)も執筆した。
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