本研究は、研究代表者と分担者のそれぞれが所属する規模の異なる地方都市において、そこで暮らすひとり親家庭に対して調査を行い、地方都市に暮らすシングル・ペアレント・ファミリーが抱える地域特性から生じる生活課題と子どもの福祉に関わる問題を明らかにし、これらに対する必要なフォーマル、インフォーマルな支援のあり方について考察することを目的とする。平成21年度は、以下の2点について研究を行った。 1、アンケート調査 九州における地方都市K市およびN市において、多くのひとり親が子どもを預けていると思われる保育園を対象に、それぞれの保育園児数に応じてランダムサンプリング行い抽出し、協力の得られた計29園を対象に保育園児の共稼ぎ・ひとり親ともに含まれる母親を対象として、仕事や収入、子どもとの交流などや、ワーク・ライフ・バランスになどに関した質問紙調査を行った。 2、文献研究等 調査対象地域における単親家庭に対する施策についての研究、およびひとり親家庭や児童福祉に関する歴史を通じた文献研究を、研究代表者および分担者がそれぞれ行った。 平成22年度は、アンケート調査結果のデータクリーニング後、単純集計結果について報告書を作成する。また、共稼ぎの母親とひとり親の母親のデータを統計的に比較検討し、育児不安、ワーク・ライフ・バランス、うつ的傾向など各項目について多変量解析等を用いて比較検討していく。また、母子家庭および父子家庭を対象としたインタビュー調査を行い、事例の検討も行っていく予定である。
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