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2009 年度 実績報告書

ホームレスのためのトータルサポートの実現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530581
研究機関東京工業大学

研究代表者

土肥 真人  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (20282874)

研究分担者 古山 周太郎  奈良県立大学, 地域創造学部, 講師 (80530576)
杉田 早苗  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (90313353)
キーワード貧困 / 社会的排除 / 差別 / ホームレス / トータルサポート / 個人カルテ
研究概要

21年度は、以下の2点を中心に研究を実施した。まずホームレス問題の解決に有効であるトータルサポート(必要な時期に必要なサービスを投入する)に不可欠だとされる個人カルテを作成するためのデータ入力およびデータベース構築の一部を実施した。個人カルテとはホームレス一人ひとりがこれまでに受けた行政サポートや福祉医療サービス、寝場所、活動場所などを個人単位で追跡可能にするもので、ホームレス支援NPOの所有する約6万件の個人データのうち約4万5千件のデータを入力した。またデータベース構築ソフトを用いて、今後のデータ蓄積のためのデータ入力フォーマットを作成した。これにより個人データを時系列で把握することが可能になり、現在NPOと協力しその試験的運用を図っているところである。
次にオーストラリアのシドニー市、メルボルン市におけるホームレス支援制度・体制・内容などの実態調査を実施した。両市役所の担当部局、6つのホームレス支援NPOへのヒアリングを行い、ホームレスの定義、オーストラリア国のホームレス政策、その実施体制、NPOの地域毎、テーマ毎(若者、女性など)の組織化の実態などが把握できた。特にホームレスの定義は、河川・道路・公園などに居住する者とする我が国とは大きく異なり、一般的に不安定な居住形態にある者を全てホームレスと定義している。これに伴ってその対策も大きく異なることとなるが、もっとも特徴的なのは、不安的な居所を提供することではオーストラリアのホームレス問題はその定義上、解決できないということである。これは一時的な居所提供を大きな柱とする現在の我が国の政策が、ハウジングファーストへと移行する際に、注意を払うべき重要な示唆を与えている。すなわちここで言うハウジングとは、安定的に居住が可能なものでなければならないということである。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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