平成22年度においては、前年度におけるリタラチャーレビューや基礎的データ収集等を踏まえ、研究対象地域における具体的関連ケースの収集と、国連「持続可能な開発に資する教育」戦略の骨格を精査した上で、研究対象地域である英国の都市部、欧州小規模都市における社会教育施設を核としたコミュニティでの子育て事例をサーベイし、そのモデル化を行った。これを通じ、地域における協働型子育て成功事例に共通のファクターの確認を行い得た点が、最大の成果であり、これにより、最終年度における研究総括に向けた段取りが整った。 また、数かずのワークシヨップや学会活動により、実際に子育てケースをリードする人材育成の重要性や、人材育成に当たり共通に援用可能な様々なモジュールの開発と運用、実装の意義が浮かひ上がったところである。 特に22年度においては、地域社会における既存の社会教育施設などをハブとした、対面での濃密な対話の場や里なる意識や見解を持つ有識者の支援の重要性を踏まえ、特徴的な取り組み辞令から、それらの推進を支える人材育成や、当該施設の情報発信の側面に着目し、散在するアクターを結束し、共通理念に基づく行動を喚起するためのイベントやビジュアルで体感できるような具体的イメージと・その評価の実態を整理した。 これらを踏まえ、平成22年度中には、最終的なアウトプットとして、地域連携による子育て支援の枠組みづくりにおけるヒントやエッセンズを抽出し、既存の社会教育施設や児童館という場における、異分野交流型の学びの素材づくりや事例のモデル化を進め、具体的なアウトプットとして、自治体の関係者や、教育支援団体、施設の運営者が参照しやすいハンドブックとして作成・公表するための素材として、経営学部におけるワーキングペーパーとして論点整理を行った。
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