平成23年度においては、22年度におけるリタラクチャーレビユーや基礎的データ収集等を踏まえて実施した具体的関連ケースの収集と、国連「持続可能な開発に資する教育」戦略の骨格から導出したモデルをベースに、歴史と沿革を踏まえた地域固有の社会的基盤を踏まえた協働型子育て成功事例に共通のファクターの精査と政策的視差の抽出を行った。最終年度における研究総括は、おおむね順調に推移し、複数の国内学会での報告とあわせ、研究対象地域におけるワークショップや研究会報告を行い、研究機関終了後の平成24年度中にも成果報告を複数回行うことを計画している。 この過程において、実際に子育てケースをリードする人材育成の重要性や、人材育成に当たり共通に援用可能な様々なモジュールの開発と運用、実装の意義が浮かび上がり、エチュード方式による地域共同型の子育て支援を牽引する上で不可欠な人材育成のためのカリキュラムの開発を事件的に行いえたことは最大の成果であった。 特に23年度においては、初年度・第2年度の研究から浮き彫りとなった、地域社会における既存の社会教育施設をハブとする対面での濃密な対話の場や異なる意識や見解を持つ有識者の支援の重要性を再確認し、当該施設の情報発信機能胃にも着目し、散在するアクターを結束し、共通理念に基づく行動を喚起するための地域固有の資産の可視化と、それを素材とした学びの機会を創出し運営するリーダー像を具体的に抽出した。そして、それらを実際に人材育成に資するマテリアルに反映することの重要性を強調しつつ、そのために必要な政策支援のイメージとともに、学びの素材と気づきの伝播に関する情報発信の重要性を報告書にとりまとめた。
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