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2010 年度 実績報告書

介護施設において高齢者・介護職員間で交わされる身体動作を用いた空間表現の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530590
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

細馬 宏通  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90275181)

研究分担者 中村 好孝  滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (20458730)
キーワードジェスチャー研究 / 認知症 / 高齢者行動 / 非言語コミュニケーション / 会話分析
研究概要

本年度は、二つのグループホームにおいて、主に以下の二つのテーマについて研究を行った。
・グループホームA:介護者-入居者間のインタラクションを微細に分析した。高齢者が介護場面でしばしば困難をきたす、椅子からの「立ち上がり行動」の中で、単に高齢者の身体の不自由さに原因がある場合ではなく、立ち上がりがどのような目的を持っているかを介護者と共有することに困難を抱えている場合を取り上げ、分析を行った。その結果、うまく立ち上がりが行われる場合は、目的行動以外の方向に注意をそらせる事物(テーブル上のものや他の介護者、入居者の行動)を介護者が身体を用いながらうまく隠すとともに、立ち上がりに入居者の注意を向けるよう、自他の身体位置をすばやく調節していることがわかった。
・グループホームB:カンファレンス時における介護者間の身体動作分析を行った。介護者どうしは、複雑な身体動作を伴う介護動作を、発語のみならず、ジェスチャーを伴って表現していた。また、こうした表現は、テキストとして書かれた日誌と対比される形で行われていた。介護者間で、身体動作の一部が繰り返し真似られることで、発語以外の身体動作に関する知識がやりとりされていることも明らかになった。
以上の研究から、介護者-入居者間、および、介護者一介護者間のコミュニケーションにおいて、言語以外の身体的な情報のやりとりが実際の現場で重要な意味を持っていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 介護者どうしの会話に現れる身体化された知識-カンファレンスにおけるジェスチャーの相互作用-2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通, 中村好孝, 城綾実, 吉村雅樹
    • 雑誌名

      信学技報IEICE Technical Report

      巻: HCS2010-29(2010-8) ページ: 13-18

  • [雑誌論文] グループホームでの介護者間の身体動作を産み出す環境-カンファレンスにおける語り-2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通, 中村好孝, 城綾実, 吉村雅樹
    • 雑誌名

      社会言語科学会第26回大会発表論文集

      ページ: 166-169

  • [学会発表] 模倣的再現法-グループホームのカンファレンスにおける身体動作-2011

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通
    • 学会等名
      第5回VNV年次大会「活動と注意:社会的行為のミクロとマクロ」
    • 発表場所
      東京電機大学東京神田キャンパス
    • 年月日
      2011-03-04
  • [学会発表] 読むことと話すこと-介護施設のカンファレンスにおける身体動作の相互作用-2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通、吉村雅樹、中村好孝、城綾実
    • 学会等名
      質的心理学会第7回大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] 身体はテキストを離れ、経験を交換する:グループホームのカンファレンスにおける発語とジェスチャー2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通、中村好孝、城綾実、吉村雅樹
    • 学会等名
      EMCA秋の研究大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] 或る認知症高齢者と健常者の視線変化数と行為頻度数の比較2010

    • 著者名/発表者名
      吉村雅樹
    • 学会等名
      EMCA秋の研究大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] 高齢者はいかにして立ち上がるか-グループホームでの事例分析-2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通
    • 学会等名
      第24回ヴァーバル・ノンヴァーバル・コミュニケーション研究会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-04-21
  • [学会発表] アルツハイマー型認知症高齢者の立ち上がり行動2010

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通
    • 学会等名
      人工知能学会大会JSAI2010
    • 発表場所
      長崎コンヴェンションセンター
    • 年月日
      2010-04-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.shc.usp.ac.jp/hosoma/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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