本研究では、知的障害者を対象にストレスの指標とされている唾液アミラーゼ活性値の測定を行い、その特徴を明らかにするとともに、ストレスの特徴を踏まえた支援のあり方について検討することを目的とした。本研究の対象者は、障害者通所施設において作業に参加できる比較的元気で能力のある人たちが多かったが、唾液アミラーゼ活性値が高い人が多く、見た目以上に、緊張や疲労といったストレスを感じている人もいることが分かった。知的障害者は認知能力の制約から環境の変化に柔軟に対応することが難しいため、健常者以上にストレスに晒されやすかったり、ストレスの影響を大きく受けやすかったりすると考えられる。また、ストレスを感じる状況は、一人一人異なっており、個々のストレスの特徴を把握したきめ細かな対応が必要と考えられた。
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