研究課題/領域番号 |
21530599
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
本郷 秀和 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (90405556)
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研究分担者 |
鬼崎 信好 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (90148958)
永田 千鶴 熊本大学, 医学部, 准教授 (50299666)
荒木 剛 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (90465766)
袖井 智子 東北福祉大学, 実習支援センター, 助教 (90405910)
松岡 佐智 福岡県立大学, 人間社会学部, 助手 (00405557)
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キーワード | 介護保険事業 / 介護系NPO / ソーシャルワーク / 社会福祉士 / ソーシャルワーカー / 制度外サービス / 社会資源開発 / 利用者ニーズ |
研究概要 |
平成21年度の研究計画は、(1)介護系NPO、社会福祉士、ソーシャルワークに関する国内及び海外の基礎資料の収集及び整理(海外はヒアリングを含む)、(2)日本国内で介護保険事業を実施するNPO法人への全国実態調査の実施、という2つの柱があった。特に既存の制度では充足困難な利用者(高齢者)のニーズを充足する組織としての介護系NPOの実態把握とともに、社会福祉士及びソーシャルワークの必要性に焦点を当てつつ、約3000法人に対して郵送調査(全数)を実施した(資料収集と整理に加えて実施)。なお、この回収率は約30%となった。 先の(1)については、介護サービスの自由競争が始まってきた北欧(フィンランド)の介護系NPO及びソーシャルワークに関する現地調査を実施した。この理由は、EU諸国では、たとえ福祉先進諸国である北欧の国々においても、我が国と同じように、介護サービスの提供がNPOと企業の競争時代へと突入しつつあり、NPOの固有性が求められていることがある。また、介護保険事業を実施するNPO法人への全国調査を実施し、集計・分析まで含めて本年度に実施した(かつ全国調査結果の報告書作成まで取り組むことができた。 平成21年度の主な研究成果は、我が国の介護系NPOは、全体的に利用者のニーズに応えるためのサービス開発意欲が高いものの、財政や人材面について課題があることが明らかになった。特に社会福祉士の配置状況は高くなく、ソーシャルワークの展開にも専門性の検証と実効性が求められていることが明らかになった。また、フィンランドにおいても、高齢者の介護サービスの提供にはボランティアやNPOに期待するところが大きい半面、NPOの意義・固有性も求められていることなどが推察された。
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