(1)効果的な援助者支援・被虐待児支援プログラム構築のためのアプローチの検討 ・施設職員との研究会の中で、援助者支援・被虐待児支援プログラムを詳細に検討すると共に、共通にめざすべき成果指標の検討を行い、具体的な研修プログラム評価票を作成した。 ・個別援助者支援・被虐待児支援プログラムに共通する、効果的なプログラム要素の検討も行った。 ・まず既存の共感疲労、共感満足対策の現状及びそれとの子どもの不適応行動との関連を把握し、それらの評価指標を検討した。職員の共感疲労と子どもの課題の重篤性との関連性が示唆された。 (2)援助者支援・被虐待児支援プログラムの実施 ・取り上げる援助者支援・被虐待児支援プログラムの既存モデルに、試験的にプログラム評価を行った。 ・援助者支援・被虐待児支援実践プログラムに関わる関係者が合同の研究会を組織し、各プログラムに、共感疲労や愛着臨床の理論と方法を適用し、より効果的な援助者支援・被虐待児支援プログラムに発展させるための改善点などを検討した。本プログラムの指導的立場の養成も予備的研究として行った。 ・援助者支援・被虐待児支援プログラムには、共通要素と施設固有要素があると考えられたが、特に施設固有要素に、改善点の発見的なアプローチを適用した。 ・研修などを通して、援助職支援・被虐待児支援の既存のモデルに対するプログラム評価を行った。効果的な支援プログラムと、効果を生み出していないプログラムとの比較から、効果的なプログラム要素を事例的、質的な分析によって明らかにした。職員との面接などにより詳細に検討した。 (3)援助者支援・被虐待児支援プログラム(試案)の構築 ・取り上げる個別プログラムごとに援助者支援・被虐待児支援プログラムモデルを作成した。それに基づき、共感疲労、共感満足及び愛着理論に関する理論を適用して暫定的な援助職支援・被虐待児支援プログラム(試案)を作成し、暫定的ではあるが、次年度の研究へとつなげた。
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